2022.06.27
16 乳製品には注意が必要。 表示をよく見て自分に合ったものを。 大豆のアミノ酸スコアは100
16 乳製品には注意が必要。表示をよく見て自分に合ったものを。大豆のアミノ酸スコアは100
乳製品と大豆もタンパク質が豊富な食材です。
まず、乳製品ですが、プロテインの原料になっているくらいなので、アミノ酸スコアは100。
タンパク質はたっぷりです。乳製品は、特にホエイプロテインやカゼインプロテインの原料として使用されており、その優れたタンパク質含有量とアミノ酸組成が、筋トレ愛好者にとって非常に魅力的な選択肢となっています。特に、ホエイプロテインは、消化吸収が速く、トレーニング後の筋タンパク質合成を促進するのに適しているとされています。一方、カゼインプロテインは、消化吸収がゆっくりで、長時間にわたってアミノ酸を供給する働きがあるとされています。
乳製品の選び方:脂質含有量と表示の見方
脂質含有量に応じた選択
ただし乳製品は脂質も含んでいます。
減量中で脂質が気になる場合は、牛乳なら低脂肪乳や無脂肪乳を、チーズやヨーグルトなら低脂肪タイプのものを選ぶといいでしょう。
一般的な牛乳は、100ミリリットルあたり約3.5グラムの脂質を含んでいますが、低脂肪乳は約1.5グラム、無脂肪乳は0.1グラム以下とされています。チーズは、種類によって脂質含有量が大きく異なり、クリームチーズは約33グラム、モッツァレラチーズは約18グラム、カッテージチーズは約4グラムの脂質を含んでいます。ヨーグルトも同様に、種類によって脂質含有量が異なり、全脂タイプは約3グラム、低脂肪タイプは約1グラム、無脂肪タイプは0.1グラム以下とされています。自分の目的と現在の体組成に応じて、適切な種類を選択することが重要です。
高タンパク質ヨーグルトの見分け方
最近は「高タンパク」を謳ったヨーグルトも多いですが、パッケージをよく見て、タンパク質の含有量を調べてから買うようにした方がいいと思います。
よくあるのが、「4000ミリグラム」というように、あえて数字を大きく表記する方法です。
4000ミリグラムは4グラムなのだが、4000ミリグラムというと、とても大量に入っているかのように錯覚してしまいます。
タンパク質の含有量を確認する際には、必ず「グラム」単位で確認することが重要です。一般的なヨーグルトは、100グラムあたり約3〜4グラムのタンパク質を含んでいますが、「高タンパク質」を謳う製品では、約6〜10グラムのタンパク質を含む場合があります。ただし、これらの製品は、追加のタンパク質(ホエイプロテインやカゼインプロテイン)が添加されている場合があり、価格が高くなる傾向があります。また、タンパク質含有量が高いからといって、必ずしも良質なタンパク質とは限りません。アミノ酸組成や消化吸収率も考慮する必要があります。
乳糖不耐性とアレルギー:注意すべき点
乳糖不耐性のメカニズムと対処法
ところで、アジア人には「乳糖不耐性体質」と呼ばれる体質の人が多いと言われています。
この体質の人は、牛乳に含まれる炭水化物のうちの1つである「乳糖」を分解することができずに、下痢を起こしてしまう。
いわゆる「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」というタイプです。
乳糖不耐性は、ラクターゼという酵素が不足している、または活性が低いことにより発症します。ラクターゼは、乳糖をグルコースとガラクトースに分解する働きがあり、この分解が行われないと、乳糖が腸内に留まり、浸透圧により水分が腸内に引き込まれ、下痢を引き起こします。また、腸内細菌が乳糖を発酵させることにより、ガスが発生し、腹部の膨満感や腹痛を引き起こす可能性があります。
アジア人における乳糖不耐性の割合は、地域によって異なりますが、一般的に60〜90%とされています。これは、歴史的に乳製品を摂取してこなかった文化において、ラクターゼの活性が低下したためと考えられています。一方、ヨーロッパ系の人々においては、乳糖不耐性の割合は約5〜15%とされています。
長期的な摂取による影響とWPIプロテイン
「いまは乳製品をとってもなんともない」という人でも、長期間に大量摂取するとアレルギーなどを引き起こすこともあるので、注意が必要です。
プロテインのホエイも乳製品ですが、「WPI」といって乳糖をできる限り取り除きタンパク質を抽出することによって、乳糖不耐性体質の人でも飲めるようにしたものもあります。
乳製品の長期的な大量摂取により、新たにアレルギー反応が発現する可能性があります。これは、免疫システムが過剰に反応し、乳タンパク質(カゼインやホエイ)に対してアレルギー反応を起こすためと考えられています。症状としては、皮膚のかゆみ、蕁麻疹、呼吸困難、消化器症状などが挙げられます。特に、既存のアレルギーがある場合や、免疫力が低下している場合には、注意が必要です。
WPI(Whey Protein Isolate)は、ホエイプロテインから乳糖を除去し、タンパク質の純度を高めた製品です。一般的なホエイプロテイン(WPC:Whey Protein Concentrate)は、約70〜80%のタンパク質と約4〜8%の乳糖を含んでいますが、WPIは、約90%以上のタンパク質と約1%以下の乳糖を含んでいます。このため、乳糖不耐性の人でも、WPIを使用することで、乳糖による症状を回避しながら、タンパク質を摂取することができます。
不安な人は「WPI」と表記されたプロテインを選ぶか、ホエイではなく他の原料からできているプロテインを選ぶといいでしょう。WPI以外にも、カゼインプロテインやソイプロテイン、エンドウ豆プロテインなど、乳製品を原料としないプロテインも存在します。これらのプロテインは、乳糖不耐性や乳アレルギーがある場合に、優れた選択肢となります。
大豆:過小評価されてきた完全タンパク質源
大豆のアミノ酸スコアの変遷
大豆に関しては、新しい情報と古い情報が混在しています。
私がトレーナーをしていた15年ほど前は、大豆はいまよりも過小評価されていました。
「あまりタンパク質が含まれていない」とか、「アミノ酸スコアが50くらいしかない」などと言われていたのです、
ここ数年でその定説が覆り、現在は大豆のアミノ酸スコアは100になっています。
かつて、大豆のアミノ酸スコアが低いとされていた理由は、メチオニンという必須アミノ酸の含有量が相対的に少ないと考えられていたためです。しかし、近年の研究により、大豆タンパク質のアミノ酸組成が再評価され、現在では、アミノ酸スコアが100であることが確認されています。これは、大豆タンパク質が、必須アミノ酸9種をバランス良く含有しており、特に筋タンパク質合成に重要なロイシンやバリン、イソロイシンといった分岐鎖アミノ酸(BCAA)の含有量も豊富であるためです。
大豆製品の多様性と栄養価
ソイプロテインの市場が伸びているのも、それが原因だと考えられます。
枝豆、豆腐、納豆、おから、湯葉、きなこなど、日本には大豆の加工食品が豊富です。
日本の食文化に感謝しつつ、大豆を食べるようにしましょう。
大豆製品は、それぞれ異なる栄養特性を持っています。枝豆は、未成熟な大豆を収穫したもので、100グラムあたり約11グラムのタンパク質を含んでいます。また、枝豆には、ビタミンCや葉酸が豊富に含まれており、特に葉酸は、細胞分裂やDNA合成に重要な役割を果たします。
豆腐は、大豆をすりつぶして凝固させたもので、100グラムあたり約6グラムのタンパク質を含んでいます。木綿豆腐は、絹ごし豆腐よりもタンパク質含有量が高く、約7グラムのタンパク質を含んでいます。また、豆腐には、カルシウムやマグネシウムが豊富に含まれており、特に骨の健康維持に重要です。
納豆は、大豆を発酵させたもので、100グラムあたり約16グラムのタンパク質を含んでいます。納豆には、ナットウキナーゼという酵素が含まれており、血栓を溶解する働きがあるとされています。また、納豆には、ビタミンK2が豊富に含まれており、骨の健康維持に寄与する可能性があります。
おからは、豆腐を作る際に残る絞りかすで、100グラムあたり約6グラムのタンパク質を含んでいます。おからには、食物繊維が豊富に含まれており、特に不溶性食物繊維が多く、腸内環境を整える働きがあります。また、おからは低カロリーで、満腹感を得やすいため、減量期にも適しています。
湯葉は、豆乳を加熱した際に表面に形成される膜で、100グラムあたり約20グラムのタンパク質を含んでいます。湯葉は、高タンパク質・低脂質な食材として、特に減量期に適しています。きなこは、大豆を炒って粉にしたもので、100グラムあたり約36グラムのタンパク質を含んでいます。きなこは、様々な料理に組み合わせやすく、手軽にタンパク質を補給できる優れた食材です。
★POINT 特に大豆は積極的にとりたい食材。食べ方も豊富で価格も安い。
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