2022.06.27

17 なぜ、マッチョはブロッコリーが大好きなのか?

なぜ、マッチョはブロッコリーが大好きなのか?

ここまで、肉や魚、大豆など、タンパク質の王道食材について、紹介してきましたが、ここでどうしても紹介しておきたい食材があります。野菜の中でも特に、筋力トレーニングを行う人にとって優れた栄養特性を持つ食材が存在します。


それは、ブロッコリーです。

ブロッコリーの栄養価:野菜のなかでも突出したタンパク質含有量

タンパク質とアミノ酸スコア


実は、ブロッコリーには、100グラムあたり、5.4グラムものタンパク質が含まれています。
アミノ酸スコアも80と、野菜のなかではダントツに高い。
しかも、糖質は1.5グラムと非常に低い。

同じ緑黄色野菜のニンジンと比べてみると、ニンジンの100グラムあたりのタンパク質は、0.8グラムしかありません。

逆に、糖質は6.5グラムも含まれています。
アミノ酸スコアは55です。
こう聞くと、ブロッコリーがいかに優れている食品かがわかると思います。

ブロッコリーのアミノ酸スコア80は、野菜の中では非常に高い数値です。アミノ酸スコアは、必須アミノ酸の含有量とバランスを評価する指標であり、100に近いほど、良質なタンパク質源であることを示します。ブロッコリーは、動物性タンパク質と比較すると、タンパク質含有量は低いものの、他の野菜と比較すると、非常に高いタンパク質含有量を誇ります。また、ブロッコリーの低糖質特性は、減量期や体組成を管理したい場合において、非常に魅力的な選択肢となります。

タンパク質だけじゃない! ブロッコリーの隠れた効能

ジインドリルメタンとI3Cのホルモンへの影響

とはいえ、タンパク質の量だけを考えれば、肉や魚などのほうが優れているように思えます。
しかし、それ以外にもブロッコリーには数多くのメリットがあるのです。


その1つが、「ジインドリルメタン」と「I3C」という成分です。

これらは、男性ホルモンを増強し、筋肉をつきやすくしてくれると言われています。


これも、ブロッコリーが多くのトレーニーに好まれている理由だと思います。

I3C(インドール-3-カルビノール)は、ブロッコリーやキャベツなどのアブラナ科の野菜に含まれる化合物です。I3Cは、体内でジインドリルメタン(DIM)に変換されます。これらの化合物は、エストロゲン(女性ホルモン)の代謝を調節し、テストステロン(男性ホルモン)の相対的な増加を促進する可能性があるとされています。ただし、これらの効果は個人差があり、すべての人に同様の効果が現れるわけではありません。また、研究によっては、これらの効果が確認されていない場合もあり、現時点では確定的な結論は得られていません。

さらに、DIMには、抗酸化作用や抗炎症作用があるとされており、特に激しい運動により発生する活性酸素を中和し、筋肉の炎症を抑制する働きがあるとされています。これらの作用により、間接的に筋トレのパフォーマンス向上や筋肉の回復促進に寄与する可能性があります。

ビタミンCの豊富な含有量と効果


さらに、ブロッコリーには大量のビタミンCが含まれています。
その量は100グラムあたり、140ミリグラム。

ちなみに、ビタミン豊富と言われるレモンの可食部(皮などを除いた部分)は20ミリグラムです。


ご存じの方も多いと思いますが、ビタミンCには、疲労回復効果があります。

トレーニング後の回復だけでなく、日々の仕事の疲れもとれやすくなるので、積極的に食べないという選択肢はないのではないでしょうか。


なお、ビタミンCには抗酸化作用もあるため、肌をきれいに保てるなど、若々しさを持続することにもつながります。

ちなみに、美しい筋肉の持ち主として知られるサッカー界のレジェンド、クリスティアーノ・ロナウドの毎日の食事は、「ライス、ムネ肉、ブロッコリーの繰り返し」だそうです。

ブロッコリーのビタミンC含有量は、100グラムあたり140ミリグラムと、レモンの約7倍に相当します。ビタミンCは、コラーゲン合成に不可欠な栄養素であり、特に筋肉の修復や骨の健康維持に重要な役割を果たします。また、ビタミンCは、激しい運動により発生する活性酸素を中和し、筋肉の炎症を抑制する働きがあるとされています。さらに、ビタミンCは、鉄分の吸収を促進する働きもあり、特に植物性食品から鉄分を摂取する場合に重要です。

また、ビタミンCは、副腎皮質ホルモンの合成に関与しており、ストレスに対する耐性を高める働きがあるとされています。特に、激しいトレーニングや長時間の労働により、ストレスが蓄積する場合、ビタミンCの十分な摂取が推奨されます。成人男性のビタミンC推奨摂取量は、1日100ミリグラムとされていますが、激しいトレーニングを行う場合には、より多くの摂取が必要になる可能性があります。

実践的な活用法:調理方法と摂取のコツ

毎日の摂取習慣と調理の工夫

私自身も、ブロッコリーは毎日欠かさず食べています。
塩ゆでしたブロッコリーを1日に半株くらいは消費していると自負してます。

塩味がついているのでそのまま食べてもいいし、ポン酢をつけてもいい。
夏場はそうめんのつゆにつけるのもサッパリしておすすめです。

ブロッコリーは、調理が簡単で、様々な料理に組み合わせやすいという利点があります。特に、塩ゆでにより、シンプルな味付けで食べることができ、毎日の食事に取り入れやすいという特徴があります。また、ポン酢やつゆにつけることで、味のバリエーションを確保しながら、栄養管理を継続することができます。

調理方法による栄養素の損失を最小限に

なお、ブロッコリーを茹でて調理すると、ビタミンCが流れ出てしまうというデメリットがあるので、気になる方は、電子レンジで蒸して調理するといいでしょう。
 

ビタミンCは水溶性ビタミンであり、茹でることで水に溶け出し、栄養素が損失する可能性があります。特に、長時間茹でる場合や、大量の水で茹でる場合には、栄養素の損失が大きくなります。電子レンジでの加熱は、短時間で加熱でき、水分の損失も少ないため、栄養素の損失を最小限に抑えることができます。また、蒸し料理は、水に直接触れないため、栄養素の損失を抑えることができます。

さらに、ブロッコリーは、生で食べることも可能ですが、加熱により消化が良くなり、栄養素の吸収率も向上する可能性があります。ただし、生のブロッコリーは、一部の栄養素の吸収が阻害される可能性があるため、適度な加熱が推奨されます。目安としては、電子レンジで1〜2分加熱するか、短時間の蒸し加熱が適しています。

★POINT:ブロッコリーは茹でるだけで食べられるお手軽食材。冷蔵庫に常備しておこう。

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