2022.06.27
39 仕事も食事も「迷い」は大敵 パターン化で迷いを吹き飛ばせ!
仕事も食事も「迷い」は大敵パターン化で迷いを吹き飛ばせ!
ビジネスにおいて「迷い」は大敵です。
どの会社と取引するか迷っているうちに、競合他社に契約を結ばれてしまった。
新興のベンチャー企業に投資しようか迷っているうちに、別の会社が投資することが決まったと連絡が入った……。
このように、迷いはせっかくのチャンスを無駄にしてしまいます。
これは、食事も同じです。
「今日は何を食べようかな」
「タンパク質が多い食材を探さないとな」
「ムネ肉は飽きちゃったし」……。
こんなふうに迷っていると、「今日はコンビニ弁当でいいか」と妥協してしまいます。
人生において、食事の機会はたくさんあるわけですが、今日の食事は一度しかありません。
迷っているうちにだんだん面倒くさくなり、せっかくのチャンスを逃す、ということは避けたいところです。
なぜ「迷い」はパフォーマンスを低下させるのか?
私たちが日常で感じる「迷い」は、心理学でいう「意志決定疲れ(Decision Fatigue)」と深く関連しています。人間が1日に行う意思決定の回数は、数千から数万回とも言われています。その一つひとつは小さくとも、朝起きて何を着るか、朝食に何を食べるかといった些細な選択が、私たちの精神的エネルギー、すなわち「ウィルパワー」を消耗させていくのです。
このウィルパワーは、筋肉と同じで、使うと疲弊します。そして、このリソースが枯渇すると、私たちはより衝動的になり、より簡単な選択、つまり「妥協」を選びやすくなります。ビジネスシーンで重要な判断を下すための精神的リソースが、午前中の「何を食べようか」という迷いで使い果たされてしまっては、元も子もありません。
食事における「迷い」が「コンビニ弁当でいいか」という妥協につながるのと同様に、仕事での「迷い」は「この案件は一旦保留にしよう」という先送りや、「一番無難なA案にしておこう」という革新性のない選択につながりかねません。どちらも、本来得られるはずだった「最適な結果」というチャンスを逃すことに他なりません。
「食事のパターン化」がもたらす絶大なメリット
では、どうすればこの「迷い」という大敵を打ち負かすことができるのでしょうか。答えは、元の記事にもある通り「パターン化(Routinization)」です。
特に「食事」という、毎日3回(人によってはそれ以上)訪れる繰り返しの行動をパターン化することは、あなたのパフォーマンスを劇的に向上させる鍵となります。なぜなら、食事は体を作る「材料」であり、脳を動かす「燃料」だからです。この質とタイミングを最適化し、それを自動化することには、計り知れない価値があります。
メリット1:意志決定リソースの温存
食事をパターン化する最大のメリットは、意志決定の回数を劇的に減らせることです。「今日は何を食べようか」という迷いそのものを消去します。これにより節約されたウィルパワーを、仕事の重要な交渉、クリエイティブなアイデア創出、あるいはハードなトレーニングといった、本当にエネルギーを注ぐべき場所に集中投下できるようになります。
メリット2:栄養摂取の最適化と一貫性
「今日はコンビニ弁当でいいか」という妥協は、栄養バランスの崩れを意味します。高脂質、高塩分、高糖質、そして圧倒的なタンパク質と食物繊維の不足。これが続けば、体は最高のパフォーマンスを発揮できません。
食事をパターン化するということは、「自分にとって最適な栄養バランスの食事」をコンスタントに摂取する仕組みを作るということです。例えば、「昼食は必ず高タンパク・低脂質の鶏ムネ肉と、良質な炭水化物である玄米、そして緑黄色野菜」と決めてしまえば、迷う余地なく、体は常に最適な燃料補給を受けられるのです。これにより、体組成の改善(筋肉増強・脂肪減少)、日中のエネルギーレベルの安定、集中力の持続といった恩恵が得られます。
メリット3:時間とストレスの削減
「何を食べようか」と迷う時間、食材を探す時間、あるいはレストランでメニューを眺めて悩む時間。これらは積み重なると膨大なロスになります。食事のパターン化は、これらの「食にまつわる迷いの時間」をゼロにし、あなたに多くの可処分時間をプレゼントしてくれます。
また、「何を食べるべきか」というストレスから解放される精神的なメリットも非常に大きいものです。特に体づくりやダイエットを行っている人にとって、「これを食べて大丈夫だろうか」という不安は常に付きまといますが、パターン化されていればその心配は一切不要です。
実践!今日から始める「食事パターン化」具体的手法
では、具体的にどうやって食事をパターン化すればよいのでしょうか。難しく考える必要はありません。まずは「これならできそう」というレベルから始めることが肝心です。
ステップ1:まずは一食だけ「固定」する
朝食、昼食、夕食。まずはどれか一食、あなたのライフスタイルで一番乱れやすい、あるいは一番コントロールしやすい食事を「固定」してみましょう。
- 朝食の固定:「朝はプロテインシェイクとバナナ、オートミール50g」と決める。準備も簡単で、一日のスタートに必要なエネルギーとタンパク質を確実に摂取できます。
- 昼食の固定:「昼は筋肉食堂のような健康的な宅配弁当を利用する」あるいは「鶏ムネ肉と玄米、ブロッコリーの自作弁当」と決める。これにより、午後の眠気やパフォーマンス低下を防ぎます。
ステップ2:「ミールプレップ」を導入する
パターン化の強力な味方が「ミールプレップ(Meal Prep)」です。これは、週末など時間があるときに、数日分の食事(主食、主菜、副菜)を一度に調理し、1食分ずつ小分けにして保存しておく方法です。
例えば、日曜日に以下の作業を行うと決めます。
- 玄米を5合炊いて、1食分(例:150g)ずつラップして冷凍。
- 鶏ムネ肉を1kg茹でる(または蒸す)し、1食分(例:150g)ずつタッパーに分ける。
- ブロッコリーや人参、ほうれん草などの野菜を大量に茹でて、タッパーに常備する。
こうしておけば、平日は冷蔵庫(あるいは冷凍庫)から「パターン化された食事セット」を取り出して温めるだけ。調理の手間も、メニューに迷う時間も一切かかりません。
ステップ3:外食の「パターン」も決めておく
とはいえ、仕事の付き合いや友人と食事で外食が避けられない場合もあるでしょう。そんな時のために、「外食のパターン」も決めておくことをお勧めします。
- 「居酒屋なら、まず枝豆、冷奴、焼き鳥(タレではなく塩)を頼む」
- 「定食屋なら、必ず焼き魚定食(ご飯少なめ)を選ぶ」
- 「イタリアンなら、カルパッチョと鶏肉のグリルをメインにする」
このように、シチュエーション別の「最適解」をあらかじめ決めておくことで、外食という非日常的な状況下でも「迷い」を排除し、栄養のブレを最小限に抑えることができます。
「パターン化」は退屈なことではない。成功への「戦略」だ。
「毎日同じようなものばかり食べて、退屈ではないか?」
そう思う人もいるかもしれません。しかし、スティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていたように、マーク・ザッカーバーグが同じTシャツを着るように、一流のパフォーマーたちは「重要でない意思決定」を徹底的に排除し、そのリソースを「本当に重要なこと」に集中させます。
食事のパターン化は、退屈な「ルーティン」ではなく、あなたの限りある貴重なリソース(時間、精神的エネルギー)を守り、あなたの目標達成(仕事での成功、理想の体)を加速させるための、非常にクレバーな「戦略」なのです。
「今日は何を食べようか」と迷うその1分を、未来の自分への投資に変えましょう。まずは明日の朝食から、あなたの「パターン」を作ってみませんか。
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