2022.07.14
44 体重なんてどうでもいい。 結果を出したいなら、 とにかく「見た目」にこだわれ
体重なんてどうでもいい。結果を出したいなら、とにかく「見た目」にこだわれ
体重や体脂肪で変化をチェックするよりも、
一番良いのは、「見た目」の変化をチェックすること。
そもそも体づくりをする目的は、「見た目をよくしたい」という動機も大きい
のではないでしょうか。
自分の体が他人の目にどんなふうに映るかも大事だし、鏡を見たときに、自分で自分を「カッコいいな」「若々しいな」と思えるかどうかが大事です。
だから毎日、鏡をよく見て、変化に敏感になりましょう。
「ちょっと顎がシュッとしてきたな」「心なしかお腹が引っ込んできたぞ」と気がつけば、しめたもの。
この見た目の変化に敏感になるためには、
「自分にとっての理想の体」をはっきりと細部までイメージしておくことが大切です。
体づくりをしていると、「なんでこんなことやってるんだっけ?」とモチベーションが低下する時期が必ず訪れます。
これは当たり前のことなので、自分を責めたり、自己嫌悪に陥ったりする必要はありません。
何しろ、今まではおいしいものを好き勝手に食べていたのに、それができなくなったのだから、イヤになるのは当たり前。
▼「なりたい体」が明確なら、モチベーション低下を打破できる
でも、そんなときでも、
「〇〇さんみたいな体になって、あのスーツを着こなしたい」
「××さんみたいになって、モテたい」
というように、自分のなりたい肉体のイメージがありありと描けていると、そう簡単には挫折しにくくなります。
私が美しいと思う体の持ち主は、
サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手、
女性に人気があるところでいえばKing & Princeの平野紫耀くん
(彼は体脂肪率4%くらいだと思う)、
野球の大谷翔平選手といったところでしょうか。
大谷選手のユニフォーム姿を見た感じでは、おそらく体脂肪率が12%くらいです。
こんなふうに「あこがれの存在」があれば、ぜひ鏡に写真を貼るなどして、モチベーションアップに役立ててほしいと思います。
スマホの待ち受け画面にすると、毎日否応なしに目に入るものだけに、潜在意識に刻み込まれるはずです。
★POINT
仕事も筋トレも「目標設定」が成功の可否を左右する。
「見た目」重視の体づくり:その科学的根拠と実践法【専門的補足】
元の記事では、数値(体重や体脂肪率)以上に「見た目」の変化を重視すること、そして「理想の体」を明確にイメージすることの重要性が述べられています。これは、体づくりを継続する上で、非常に強力な心理的・生理学的アプローチです。ここでは、なぜ「見た目」が最良の指標となり得るのか、そして「理想のイメージ」が体にどのような影響を与えるのかを深掘りします。
▼「見た目」こそが「体組成」の変化を映し出す鏡
ID 43の補足で解説した通り、体づくりは「体重」ではなく「体組成(筋肉と脂肪の比率)」の最適化です。「見た目」の変化は、この体組成の変化を最も直接的に反映します。
筋肉の輪郭(セパレーションとストリエーション):
体脂肪が減少し、筋肉量が増加(あるいは維持)されると、皮膚の下にある筋肉の形が浮き彫りになります。これが「体が引き締まる」という状態です。
- セパレーション: 異なる筋肉の境界線(例:三角筋(肩)の前部、中部、後部が分かれて見える)。
- ストリエーション(筋線維): 筋肉の表面を走る細かいスジ(例:胸や肩、大腿四頭筋に見える)。
これらは体脂肪率がかなり低いレベル(一般的に男性で10%前後、女性で18%前後)にならないと明確には見えませんが、腹筋のライン(シックスパック)がうっすらと見え始める、腕の血管(バスキュラリティ)が浮き出てくる、といった変化は、数値以上にモチベーションを高めます。これらは体重計では測定不可能な「見た目」だけの指標です。
「鏡の中の自分」は嘘をつかない:
体重計や体脂肪計の数値は、ID 43で述べたように「水分量」というノイズ(変動要因)に大きく左右されます。しかし、「見た目」は、昨日より今日のほうが水分でむくんでいたとしても、その「むくみ」自体を視覚的に捉えることができます。長期的に鏡で見続けることで、一時的な水分の変動なのか、それとも確実に脂肪が減って筋肉のカットが出てきたのかを判断する「目」が養われます。
▼目標の視覚化(Visualization)がもたらす心理的・神経学的効果
元の記事で推奨されている「理想の体」をイメージすること(例:C・ロナウド選手、平野紫耀さん、大谷翔平選手)は、スポーツ心理学で用いられる「目標設定理論」および「メンタルリハーサル」そのものです。
1. ゴール設定理論(Goal-Setting Theory):
「痩せたい」という漠然とした目標よりも、「大谷翔平選手のような厚い胸板と広い背中を手に入れる」という具体的(Specific)で、視覚的に測定可能(Measurable)な目標は、達成への行動を強力に引き出します。「あのスーツを着こなしたい」というのも同様です。この具体的なイメージが、「食べる筋トレ」やハードなトレーニングを継続するための「理由」=内的動機付けとなります。
2. 運動イメージと神経系の活性化:
トップアスリートは、自分の理想のパフォーマンスを頭の中で鮮明に思い描く「メンタルリハーサル」を行います。研究によれば、実際に運動しなくても、運動しているイメージを鮮明に描くだけで、脳の運動野が活性化し、関連する筋肉に微弱な電気信号が送られることが分かっています。
「理想の体」を毎日見ることは、「自分もその体になるために行動(トレーニング)している」という意識を脳に刷り込むこと(プライミング効果)に繋がります。これにより、トレーニング中の集中力が高まり、より効果的に筋肉を追い込む(例:最後の1回を挙げる)意志力を引き出す助けとなります。
▼「見た目」にこだわる際の注意点と、より客観的な指標
「見た目」を最重要視するアプローチは非常に有効ですが、いくつかの注意点も理解しておく必要があります。
1. 「パンプアップ」と「照明」のマジック
トレーニング直後は、筋肉に血液や水分が集中し、一時的に筋肉が膨張する「パンプアップ(Pump Up)」という状態になります。この時、鏡を見ると自分の体が劇的に変化したように見え、強い高揚感が得られます。しかし、これは数時間で元に戻る一時的なものです。
また、ジムの照明(特に上からのダウンライト)は、筋肉の陰影を強調し、体を実際よりもはるかに見栄え良く映します。これら「最高の状態の自分」だけを基準にすると、日常生活での自分の体(例:朝起きた直後)とのギャップに落胆する可能性があります。「見た目」をチェックする際は、ID 45で触れられる「記録」と同様に、できるだけ条件を一定に保つ(例:朝、同じ場所の自然光の下で)ことが望ましいです。
2. ボディ・イメージ(身体像)と健康的な視点
「見た目」へのこだわりが過度になると、現実の自分と理想とのギャップに常に不満を感じる「ボディ・ディスモーフィア(身体醜形障害)」に近い精神状態に陥るリスクもゼロではありません。目標はあくまで「健康的で機能的な体」であり、C・ロナウド選手や大谷選手も、その「見た目」は過酷なトレーニングと厳格な栄養管理という「機能」を追求した「結果」です。「食べる筋トレ」の目的は、見た目だけを追求することではなく、健康的な食生活と運動習慣によって、結果として理想の見た目を手に入れることである、という順序を忘れてはいけません。
★POINT(補足)
「理想の体」のイメージは、現在地との差を悲観するためではなく、そこへ向かう日々の行動(食事・筋トレ)を承認するための羅針盤である。
体重計の数字は過去の重力(質量)を示しますが、鏡に映る「見た目」は現在の体組成を示し、「理想のイメージ」は未来の可能性を示します。数字に一喜一憂せず、日々の「見た目」のわずかな変化を楽しみ、未来の「理想の体」にワクワクしながら、「食べる筋トレ」を継続すること。それが成功への最短距離です。
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