2022.06.27
37 居酒屋は最高の「筋トレ食堂」である
【トレーニーの聖地】なぜ居酒屋は最高の「筋トレ食堂」なのか? 完全攻略ガイド
「アルコールは筋肉を破壊する」(ID 35)、「飲むならハイボール一択」(ID 36)と解説したばかりで、矛盾するように聞こえるかもしれません。しかし、本気で筋肉をつけたいトレーニーにこそ、戦略的に通ってほしい場所があります。
それは「居酒屋」です。
「居酒屋は、トレーニーにとって最高のレストラン(筋トレ食堂)である」—— 。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、これは真実です。
多くの人にとって、居酒屋、特に若者向けの大衆居酒屋チェーンは、「とりあえず生ビール」に「唐揚げ」「フライドポテト」「ピザ」など、高カロリー・高脂質・高糖質なメニューの巣窟というイメージがあるかもしれません。
しかし、そのメニューを「トレーニーの目」でよく見ると、他のどんな業態のレストランよりも、高タンパク・低脂質・低糖質な「筋肉メシ」の選択肢が、圧倒的に豊富に揃っていることに気づくはずです。
この記事では、なぜ居酒屋が「最強」なのか、そして、その豊富なメニューから「筋肉を育てる」ための正しい選択術を徹底的に解説します。
1. なぜ居酒屋は「最強」なのか?
私たちが普段直面する外食、例えば「ラーメン、丼もの、パスタ、カレー」は、そのほとんどが「糖質」と「脂質」で構成されており、タンパク質(特に脂質の少ないタンパク質)を十分に確保するのが非常に困難です。これでは、ID 32で解説した「追いタンパク」を実践する余地すらありません。
しかし、居酒屋はどうでしょうか。
- マグロの刺身(高タンパク・良質脂)
- 焼き鳥の盛り合わせ(塩)(高タンパク・中脂質)
- 馬刺し(超高タンパク・超低脂質)
- ホッケの開き(高タンパク・良質脂)
- しめ鯖(高タンパク・良質脂)
- 冷奴(高タンパク・良質脂)
- 枝豆(高タンパク・植物性)
よく考えてみてください。これだけの「高品質なタンパク質源」を、一度の食事で、一箇所で、しかも手頃な価格で食べられるレストランが、イタリアンやフレンチ、中華にあるでしょうか? 答えは「ノー」です。
居酒屋は、様々な調理法(生、焼き、煮る、蒸す)で、多様なタンパク質源(魚、鶏、牛、豚、馬、大豆、卵)を網羅している、まさに「タンパク質のビュッフェ」なのです。
さらに、誰かと一緒に行っても、オーダーするものは必ずしも相手と同じでなくてもいい。「自分はハイボールと焼き鳥、相手はビールと唐揚げ」という、お互いを尊重した「食の多様性」が許されるのも、居酒屋の最大の強みです。
2. 谷川チョイス「居酒屋・神メニュー7選」
では、具体的に何を選べばいいのか。「食べる筋トレ」を実践する私、谷川が必ず注文する、あるいは推奨する「神メニュー」を紹介します。
① 刺身盛り合わせ(特に赤身・白身・タコ・イカ)
【筋肉への効果】 高品質な動物性タンパク質、そしてDHA/EPA(オメガ3)の補給。
海鮮系居酒屋を私が選ぶ最大の理由です。マグロの赤身、カツオ、ヒラメやタイなどの白身魚、タコ、イカ、貝類は、超「高タンパク」かつ「低脂質」のスター選手です。サーモンやブリ、中トロは脂質が多いですが、ID 21で解説した「良質な脂質」であるオメガ3が豊富なため、適量なら全く問題ありません。
② 焼き鳥・串焼き(「塩」一択)
【筋肉への効果】 高タンパク質、ビタミンB群(レバー)、亜鉛(砂肝)の補給。
最強の「追いタンパク」メニューです。ただし、「タレ」はNG。「タレ」は砂糖とみりんの塊(=糖質)であり、血糖値を上げるため、アルコール(脂肪燃焼停止)との最悪コンボになります。必ず「塩」で注文してください。
- 【神】 ささみ、むね、砂肝、なんこつ、レバー、ハツ(心臓)
- 【良】 もも(皮なし)、ねぎま
- 【避】 皮、ぼんじり(尾)、つくね(タレ・軟骨入りはOK)
③ 枝豆
【筋肉への効果】 植物性タンパク質、ビタミンB1、メチオニンの補給。
「とりあえず枝豆」は、トレーニーにとっても正解です。タンパク質(未成熟な大豆)であると同時に、アルコールの代謝を助ける「ビタミンB1」と、肝機能を助けるアミノ酸「メチオニン」を豊富に含み、飲酒のダメージコントロールに最適です。
④ 冷奴(ひややっこ) / 湯豆腐
【筋肉への効果】 高タンパク質、イソフラボン、低カロリーでの満腹感。
低カロリーで10g近いタンパク質を摂取できる、まさに「筋肉の味方」。ネギや生姜などの薬味は血行を促進し、代謝を助けます。
⑤ 馬刺し(ばさし)
【筋肉への効果】 超高タンパク、超低脂質、高グリコーゲン。
もしメニューにあれば、絶対に注文すべき「筋肉のスーパーフード」です。馬肉は、他のどの肉よりも「高タンパク」「低脂質」であり、さらにグリコーゲン(糖質)も含むため、枯渇した筋肉のエネルギー補給にもなります。亜鉛や鉄分も豊富です。
⑥ 焼き魚・煮魚(ホッケ、しめ鯖、サバの塩焼きなど)
【筋肉への効果】 高タンパク質、DHA/EPA(オメガ3)、ビタミンDの補給。
ホッケの開き、サバの塩焼き、しめ鯖などは、ID 39で解説する「青魚」のメリット(良質な脂質)を丸ごと摂取できます。ただし、西京焼きやみりん干しは「糖質」が多いため、シンプルな「塩焼き」や「煮付け(控えめに)」を選びましょう。
⑦ 海藻サラダ / キノコのソテー / 冷やしトマト
【筋肉への効果】 食物繊維、ビタミン、ミネラルの補給。
タンパク質ではありませんが、ID 23で解説した「ベジファースト」の実践です。最初に食物繊維を摂ることで、血糖値の急上昇を抑え、脂質の吸収を穏やかにします。ドレッシングはノンオイルを選ぶか、「塩とごま油で」など別添えにしてもらうのがベストです。
3. 厳重注意!「悪魔のメニュー」ワースト5
逆に、トレーニーが居酒屋で「絶対に頼んではいけない」、筋肉を破壊し、脂肪を溜め込む「悪魔のメニュー」も存在します。
【悪魔①】フライドポテト / 揚げ出し豆腐 / 鶏皮ポン酢
「脂質(揚げる油) + 糖質(芋)」の最悪コンビ。揚げ出し豆腐も「豆腐だからヘルシー」は幻想で、衣が油と糖質の多い「あん」を吸い尽くしています。鶏皮は脂質の塊です。
【悪魔②】鶏の唐揚げ / チキン南蛮
高タンパクですが、それを遥かに凌駕する「高脂質(揚げる油)」と「高糖質(衣・タレ)」の爆弾です。ID 35で解説した通り、アルコール(脂肪燃焼停止)と一緒に食べれば、その脂質は100%体脂肪に直行します。
【悪魔③】締めのラーメン / お茶漬け / 焼きおにぎり
アルコールと脂質・タンパク質で肝臓が疲弊し、インスリン感受性が鈍っている最後の最後に、高GI値の炭水化物を流し込む行為。これは、体脂肪に「とどめを刺す」行為です。
【悪魔④】ポテトサラダ / マカロニサラダ
「サラダ」という名前に騙されてはいけません。これは「マヨネーズ(脂質)で和えた糖質(芋・マカロニ)」です。実質、フライドポテトと変わりません。
【悪魔⑤】ビール / 日本酒 / 甘いサワー
ID 36の復習です。糖質を含む「醸造酒」や、砂糖入りの「カクテル・サワー」は、蒸留酒(ハイボール)に切り替えましょう。
まとめ:居酒屋を「第2のジム」にせよ
居酒屋は、あなたの知識(リテラシー)が試される場所です。
知識のないトレーニーにとっては、アルコールと高脂質・高糖質メニューで筋肉を溶かし、脂肪を溜め込む「地獄」となります。
しかし、この記事で解説した知識を持つトレーニーにとっては、
「ハイボール」を片手に、「刺身」「焼き鳥(塩)」「枝豆」「冷奴」を組み合わせ、1食で50g以上の高品質なタンパク質と良質な脂質を摂取できる、「天国」のような「筋トレ食堂」に変わります。
「筋肉食堂DELI」は、この「居酒屋の神メニュー」で構成されるような、完璧な高タンパク・低脂質・適正糖質な食事を、あなたの自宅に届けるサービスです。飲み会がない日はDELIで完璧なPFCバランスを維持し、飲み会がある日は居酒屋で「食べる筋トレ」を実践する。これが、賢いトレーニーのハイブリッド戦略です。
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